角膜について
角膜は、上から(外側から)順に、5つの層でできています。
人によりますが、角膜の厚さは500μm〜600μmくらいになります。
※500μm〜600μm =0.5mm〜0.6mm
1.角膜上皮層(50〜80μm)
一番外側(体表側)にある層で、外気と接触し、有害な紫外線にさらされたり、ホコリやごみが入って傷つきやすい場所なので、新陳代謝が活発です。頻繁に再生活動がされています。
コンタクトで傷が出来た場合も治るのは、角膜上皮が毎日再生しているからです。
2.ボーマン膜(10μm)
コラーゲンなどのたんぱく質で構成されています。(再生不可)
3.角膜実質層(400〜500μm)
角膜の約9割がここにあたります。透明度を維持する役割があります。(再生不可)
レーシックでは、再生しない角膜実質層を削ることで安定した視力が得られます。
4.デスメ膜 (内境界膜/10μm)
角膜全体の強度を保ち、眼球内部を保護しています。デスメ膜は再生する膜です。
レーシックのレーザーが届くことはありません。
5.角膜内皮層(5μm)
一番内側(網膜側)にある層で、酸素や栄養分を供給する大切な役割を持つ。
ここが傷つくと目に障害を起こす原因になります。(再生不可)
レーシックのレーザーが届くことはありません。
角膜をイラストで解説すると…
↑ 眼(眼球)の一番表面の部分が角膜。その角膜は5つの層からなっています。
レーシックでは、この角膜の厚さ(角膜厚)が大切になります。
角膜を削って視力を矯正しますが、
最終的に残る角膜(=角膜ベッドと言われます)が250μm以上残っている必要があります。
これは眼科学会で定められた基準になり、最低基準と考えて下さい。
できれば、300μm以上残っていたほうが安心です。
もし、250μm以上削ってしまうと「過矯正」となり、
眼圧に耐えられなくなった角膜が前方へ飛び出す「角膜拡張症(円錐角膜)」になってしまったり、視力が見えすぎて遠視の状態になり頭痛や肩こり、吐き気めまいといった症状が表れることがあります。
術式や、近視の度数によって、角膜を削る量が違います
例えば、下記の人の方の場合。
■ 角膜の厚さが520μm
■ 近視度数-10D
■ 視力矯正の為に削る深さ120μm
【レーシックの場合】
レーシック手術(マイクロケラトーム)を使った手術では、
フラップを作る際に、だいたい160μmを削ってフラップを作成します。
つまり…
520μm(角膜厚) - 160μm(フラップ) - 120μm(削る量) = 240μm(残った角膜ベッド)
= レーシック手術はNG
【イントラレーシックの場合】
イントラレーシック手術(イントラレーザー)を使った手術では、
フラップを作る際に、だいたい100μmを削ってフラップの作成ができます。
つまり…
520μm(角膜厚) - 100μm(フラップ) - 120μm(削る量) = 300μm(残った角膜ベッド)
= イントラレーシック手術はOK
上記は一例ですが、
レーシック(マイクロケラトーム/眼球用カンナ)よりもイントラレーシック(レーザー)の方がフラップを作る際に削る量が少なくて済みます。
また、各医院の使用しているレーザー機器によって削る量が変わり、
もっと薄くフラップが作成できる場合や、もっと少ない量で視力が矯正できる場合があります。
そして、あなたの近視度数で角膜を削る量が少なくなります。
つまり、「Aクリニックでは断られたけど、B医院では手術が可能と言われた!」ということも稀なことではありませんので、
1つの医院で決めずに2、3の医院で適応検査を受けて下さいね。
その際、「どれくらいの角膜ベッドが残るのか」というのはしっかり教えてもらうと安心です。
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